昨今、世間を賑わすニュースとしてよく報道されている「痴漢といわれ線路に逃げた」という事件。

 5.15(2017)には線路上に逃げ、電車にはねられ死亡する事故も置きました。

 痴漢ですのフレーズ

いつもどおりの生活の最中にいきなり身に覚えもなく、「痴漢です!!」と言われたらアナタならどうしますか?

 だれにでも起こりうるというのが痴漢えん罪の怖さです。

痴漢にまちがわれた際の対象法について書かれているサイトやブログがたくさんあるなかで、今回はほかのサイトとの違いを見比べやすいように、以下のポイントを大きな特徴にしたいと思います。
 

  • 最大公約数の対象法(さまざまな見解がありすぎるから)
  • 女性にも読んでいただきたい内容

  
 対象法があふれかえっていて、一体どの方法がよいのかイマイチよく分かりません。

というのも、弁護士によっても見解がさまざまなのです。

いくつか紹介します。

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状況しだいです。よって正解はありません。
 完全に身に覚えのない状況で間違えられたのであれば、その場で「自分ではない!」と堂々と主張すべきです。周辺にいた人に確認をとり、証言をしてもらうこともあり得るので、名刺、連絡先交換しておくとよいでしょう。

 その場から走って逃げることは避けましょう。逃亡の恐れありとして判断され、逮捕勾留されます。監視カメラや電子マネー、ICカードの記録により確保される可能性は高いです。

 走って逃げ去ることは避け、女性と一緒に駅員、警察官のところへいきましょう。 身分を証明できる身分証や名刺を出し、会社や家族、顧問弁護士がいればその弁護士に連絡を取って身元を保証してもらい、逃げずにいつでも出頭して取り調べに応じる意思を述べてください。これで逮捕勾留される可能性は低くなります。

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その場で逮捕されない状況であるならば「私はやっていません」と主張し、走って逃げるのではなく歩いて穏便にその場から立ち去りましょう。逮捕されない場合は、任意同行に応ずる法的義務はないので、走ってではなく歩いて現場を離脱する。

 もし逮捕された場合は「私はやっていません。弁護士を呼んで下さい。」と否認しつづけ弁護士を待ちましょう。身の潔白を証明する証拠をえにくいのが痴漢のえん罪です。無罪を主張しようと発言をむやみやたらにするなかで、痴漢をしたとみなされるような発言を誘導される可能性もあります。
 否認をしつづけ弁護士の助言を得ることが安全。

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女性による現行犯逮捕の状態が警察にそのまま引き継がれ、有無を言わせず身柄を拘束されてしまうということが痴漢のえん罪の一番の怖さです。

 否認している場合は駅員室、警察へ連れて行かれてそのまま逮捕になる可能性が極めて高いです。その前に、その現場を立ち去ることが重要です。

 ただし、裁判となった場合に痴漢をしたから逃走しようとしたという不利な情況証拠になりますので、その場で弁護士に連絡して来てもらい、弁護士立会のもとで身分を証明できる身分証や名刺等を見せてその場を去るのがでしょう。

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 痴漢と間違われた場合に取るべきと考える行動は、まずは逃げない。そして次に「やっていない」と主張し続けること。 痴漢と言われてから可能なかぎり即時に、自分と女性、駅員、警察官とのやり取りをスマホなどで録画、録音することです。

 この対象法で必ずしも身柄拘束を免れるという訳ではありませんが、走って逃げてしまうと、「逃亡の恐れあり」とみなされ逮捕の後、原則10日間のあいだ勾留されるリスクが高くなります。

 そして否認し続けなければ、証言が信用に足りないとみなされます。
後々、起訴されて裁判になっても不利になります。

  録画、録音によって証拠を残すことです。否認し続けたことの裏付けにもなりますし、痴漢にまちがわれた直後の女性の言い分や食い違いを記録することができます。


 
 このように弁護士によって見解はさまざまです。

 その場から立ち去ることをすすめる対処法もあれば、その場から立ち去ることを絶対やめるべきという対処法もあったりと。

 ですので、今回の当記事では、どの対処法でも共通してすすめられている対処法だけをピックアップし、まとめて紹介したいと思います。

 一生に関わるかもしれない対象法を安易な精査で紹介することを避けるためです。

また、痴漢のえん罪の対処法という内容ですので男性にしか該当しないと思われがちですが、ぜひ女性にもいま1度読んでいきただきたいと思う内容にしてあります。

 女性の私には関係ないと思われるかもしれませんが、アナタのお父さんやおじいちゃん、お兄さんや弟さん、彼氏や旦那さん、息子さんにも起こりうるのです。痴漢のえん罪はその家族もある意味被害者になりかねないのです。

 その痴漢されたという感覚が、もしかしたらただバッグや荷物が触れていたなどのフライングではないか?という再確認も出来うるならしてもらえればとも思います。

 痴漢はたしかに卑劣かつ悪質で、被害をこうむった女性の精神的苦痛もはかりしれない犯罪です。

個人的な意見を言わせてもらうと「痴漢するやつは死ねばいいのに」くらい憤りも感じます。

 ですが、ここで注意して欲しい数字があります。

 痴漢事件の約3割が“えん罪”であったという数字です。

やっていない自信があるから「堂々と身の潔白を証明してやろうじゃないか」と駅員の指示にしたがい1度連行されると逮捕されてしまうという現状があります。

 ちょっとしたデータを紹介します。

裁判所のデータによると、1990年代は痴漢のえん罪を主張し裁判で争った203名すべてが有罪となっています。

 今回の記事は、まったく身に覚えのない男性が痴漢にまちがわれたときの対処法、そして女性にはその痴漢かもと感じた感覚を出来うるならもう少し慎重に確かめて欲しいという願いをこめて書いたしだいです。

痴漢えん罪の怖さの大きなポイント

ほかの事件にくらべて痴漢えん罪ならではの怖さについて。

 それは、ほかの刑事事件にくらべて有罪を裏付ける証拠を得やすくもあり作りやすくもある一方、無罪を裏付ける証拠は得にくいという点です。

 刑事司法の大原則である“疑わしきは罰せず”が“疑わしきは有罪”のほうへと導かれているのです。

痴漢のえん罪に関しては、疑わしきは有罪なのです。

 正義の公平な裁きをしてくれるだろうと思っている裁判官は、あくまでも警察・検察・被疑者の提出した証拠から事実関係を整理し、確認できた事実のみで有罪無罪を決定します。

 「やっていないという証拠」を得にくい痴漢のえん罪(冤罪)では、ほぼ勝ち目はないのです。

参考になるオススメ有名映画

ここで、痴漢のえん罪(冤罪)の無情さと過酷さをリアルに感じれる映画を紹介したいと思います。

 「Shall We Dance?」で有名の監督、周防周防正行監督の映画、「それでもボクはやってない」であります。

 映画それでもボクはやっていない

 2007年に公開されたこの映画の社会的影響は大きく、のちの痴漢えん罪事件の警察の取り調べかたや検察、裁判のありかたに大きく一石を投じたといわれています。

  この映画では、加瀬亮演じるフリーターが通勤ラッシュのなか、女子中学生に痴漢とまちがわれてから、まるでベルトコンベアーに乗せられたように、有無をいわされずコトが進んでいき連行、逮捕、起訴され人生が地獄に一変するという内容の映画である。

 逮捕後も、身の潔白を証明しようとするも刑事も信じようとしない、被害者からも事実確認もできず、結果有罪の判決を下されてしまうという非常に考えさせられる内容です。

有罪の確定率

 逮捕のイメージ画像

 えん罪を含め、痴漢によって有罪とされる確立はおそるべき数字となっています。

99.9%です。

 そして先ほどものべましたが痴漢の事件の約3割がえん罪であるというデータです。

 痴漢といっても2つのケースに分かれます。

「各都道府県の迷惑防止条例違反」と「強制わいせつ罪」です。

  この2つのケースに共通していえることでもあり、この2つならではの特徴があります。

注意!

 痴漢の事件においては、迷惑防止条例違反の適用であれ、強制わいせつ事件の適用であれ、身分証を提示しても女性の出方次第で、現行犯逮捕されてしまうことになります。

 さまざまなサイトで《身分証を提示すれば現行犯逮捕はされない》という対処法を目にしますが、それは違います。

身分証を提示すれば現行犯逮捕されないという刑法訴訟法217条の条文は痴漢事件には適用外なのです。 

 そして2つのケースの大きな違いは、罰則の大きさになります。

“6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金”が前者の罰則であるのに対し、後者は“6月以上10年以下の懲役”と非常に重くなります。

 前者と後者の線引きは、痴漢された箇所や程度により決まります。

痴漢をした犯罪者には軽すぎる罰則ですが、まちがわれた無関係のひとには重い罰則であります。

 罰則のみならず、痴漢のえん罪は社会的信用を一瞬で失墜させ、家族ともども汚名をあびることになります。

では。

 もし痴漢にまちがわれたときどうすればよいのか?

 現状、日本の刑事手続きでは“最初の段階”できちんとした対応をしないと、アナタは秒刻みの展開で不利な立場に立たされていきます。

 “その場でどう対応するか”が重要です。
 
もしあなたが痴漢にまちがわれたときに、どのように対応をすべきなのかを紹介したいと思います。

まずはその場でとるべき行動

  • うろたえない。“していない!”と堂々と主張する
  • その場で周囲の証言をあつめる
  • 走って逃げない
  • できるだけ早い段階で録画、録音をとり、まず女性の言い分を聞いてその言い分を固める
  • 繊維鑑定を申し出る。
  • 弁護士に連絡する。知り合いの弁護士がいない場合は当番の弁護士に連絡する。
最初からブレずに「していない」を主張しつづける

 身に覚えのない場合ですと、女性に痴漢!といわれるタイミングも全く分からず最初は「なにが起きた?え?おれ?おれ!?」
 と理解不可能の固まる状態になると思います。

 しかも、その発言の直後にいっせいに周りの大勢の人から白い目で見られさらにうろたえると思います。

ですが、アナタはやっていないのです。

 堂々と大きな声で「やっていません!」とまっすぐ伝えましょう。

じっさいに痴漢したひともやっていないと言う訳ですから、できるだけキョドらずに凛とした姿勢で言いましょう。

 へんに逆ギレしても、女性がさらに興奮するかもしれませんし、周りの人間も怪しさを拭えない感情を持つかもしれません。

 あくまでも堂々と、キリッと主張しましょう。

 堂々と主張する男性

冷静に堂々と主張すりことで、周りの人間も「違うのでは?」という見方になる可能性もでてきますし、なにより女性本人も「ひょっとしたら人違いなのかも、」と自信をなくす可能性もでてきます。

 ここで知っておきたいことは痴漢のえん罪は、

 “やったかどうかの事実よりも、まわりの人間の証言や女性の主張によるレッテルです”
 
 ですので、あくまでも堂々と後ろめたさなど1ミリもないといった毅然とした態度で主張しましょう。

 自分は逃げも隠れもしないし、この場で話をしましょうという姿勢です。

言われた時点からブレずに言い続けることです。

 後々の取り調べや裁判においても、“最初は否定していなかったではないか”とみなされないようにするためにも必要な行動です。

周囲の目撃者をつのる

 先ほどものべたように、痴漢のえん罪において大きな要素が、
  まわりの人間の証言や女性の主張です。

 いちど大勢の人間の目の前で痴漢を訴えた女性が、自分の主張の根拠にすこし自信がなくなってきたとしても、いまさら引き返すことはできないと、「ひょっとしたら違う人かも」と撤回することは考えにくいと思われます。

 そこで重要になってくるのは第三者の目撃証言になります。

というのも昨今の傾向として女性の証言以外にまわりの目撃証言にも重きが置かれてきているのです。

 ですので現場を離れずできるだけその場その瞬間でまわりに呼びかけて、自分の潔白を証言してくれる目撃者を集めましょう。

 「ボクの隣にいましたよね?片手はつり革でもう片方の手は携帯をずっと持ってましたよね?」など、近くにいたひとに目撃証言をつのる動きをとるべきです。

 まちがっても走って逃げて現場を離れるという行為は避けましょう。

1度離れてしまうと、重要な証言者をえることができなくなります。あとになってから、「自分の隣にいた○○歳くらいの○○の服装をした男性にきいてくれれば分かるはず」などと言ってもなかなかその人物を特定して見つけるのが困難になります。

 それに去り方にもよりますが現場を離れると逃げたとみなされて不利な情況をつくることにもなります。

 その場で堂々と、近くにいた方に目撃証言をその場ですぐさまにつのりましょう。

 まずはその場で堂々と否定を主張しつづけ、その場で目撃証言を呼びかけて集めることが重要です。

テンパって逃走しない

 逃走するイメージ画像

 走って逃げるべき?

 これに関してはいろんなサイトやSNS等で走って逃げるべきという対処法が普及しました。

弁護士の見解もさまざまで、とある人気法律番組上で弁護士が“逃げるべき”を主張したことでさらに普及したといわれています。

 この見解の背景として、痴漢では、客観的な証拠や目撃者などの証人がいない場合が多い点と、被害女性の供述だけで逮捕され、起訴され、痴漢で有罪とされるという捜査や裁判の現状があるのです。

 であるならば、その無慈悲なベルトコンベアーに最初から乗っからない方法がいいという見解から“逃げるべき”という主張がなされのではないかといわれています。

 ですが、走って逃げるという対処法に関してはおすすめしません。

理由は以下のとおりです。

  • 危険(通行人にぶつかる、傷害などのさらなる事件)
  • 不必要な勾留を招いてしまうリスク
  • 逃走を図ったとみなされ、有罪の情況証拠になってしまうリスク

 ホームをふくめ駅構内はたくさんの人が集まる密集地です。
あせってパニックの状態で必死に走ることは、逃走中にぶつかって通行人にケガを負わせる可能性が高いといえます。
 これにより、さらにアナタの犯す事件が増えてしまいます。

傷害事件、暴行事件です。

 また、線路に飛び降りようものなら線路立入の罪、損害賠償も問われます。

それにその行為自体、非常に危険です。先ほどものべたように電車にはねられた死亡事故も発生したばかりです。

 走ってその場をしのげたとしても、監視カメラやICカード、電子マネーの記録で遅かれ早かれ身元は特定されます。

 逃げたという負の事実だけが得られるだけで、その後にいくら痴漢はやっていないと尽力しても説得力に欠けます。

  痴漢の容疑者が現場で逃走を図っていたとして、裁判官も“逃亡の可能性あり”と勾留決定するのがほとんどです。

  痴漢を疑われ「逃げる」という行為は、不必要な勾留をまねく可能性があります。

 逮捕されてからの流れ

痴漢のえん罪の裁判のように否認事件の裁判では、情況証拠がかなり重要になります。

 というのも、痴漢の被害にあったと主張する女性の証言が直接証拠として扱われるからです。

 その証言に対抗すべく情況証拠はかなり重要になるのです。

逃げようとしたという事実はかなり不利の情況証拠になるのです。

 裁判官の判断として、やっていないならなぜ逃げた?として疑わしきは有罪のほうへと考えるのです。

結果、有罪判決の大きな決め手となるのです。

 むしろ現場をいったん離れると自分に有利な証拠がなくなる可能性が高くなります。

現場は有利な証拠を集めるチャンスともいえます。

その場で女性のいい分をまず先に聞く(録画、録音)

 ただの水掛け論と思う事なかれ。

痴漢のえん罪の場合、女性の発言が有利に動くのです。

 ただ女性が勝手にわめいているだけ。では済まされないのです。

であならば、自分で証拠を集めていかなければならないのです。

 先ほどものべた、まわりの目撃証言を集めるも重要な証拠集めすが、女性やその場でかけつけた駅員とのやり取り等をふくめ、出来るだけ早い段階からスマホ等で録音、録画することが大事です。

 私は潔白の自信があるので撮っていいですよね?と一言先に断りをいれてもいれなくてもかまいません。

そして大事なのは、女性のほうから先に言い分を言わせることです。 

 なぜか?

こちらから先に言い分(ドア付近のどこどこにいた、こんな体勢でいた)などを説明したあとに、女性がそれに事実をなぞるように曲げさせることを防ぐためです。

 全く身に覚えがないからと自分の車内でとっていた行動を意気揚々と説明しがちですが、それは避けましょう。

逆に、女性に先に言わせましょう。

 アナタは

  • どこの駅から乗ってきましたか?
  • 車内のどこにいましたか?
  • いつ(どこの駅のあたりから)痴漢行為を感じましたか?
  • どこの箇所をどういうふうに痴漢されましたか?
  • 右手ですか? 左手ですか?

 と質問しましょう。

 いつ・どこで・どのように。です。

 マホで録音するイメージ画像

もしアナタが違う場所にいれば食い違いを証明できるわけですし、また、痴漢行為を感じたという時間にまだアナタは電車に乗っていなかった場合もあるかもしれません。

 車内の位置から考えてその距離から触ることは考えられにくいと証明もできる場合もあります。

 録音、録画はその証拠作りのためです。

あとで女性に話を合わせられないようにするのです。
 
 身に覚えもない痴漢を突然叫ばれてうろたえるなと言ってもムズカシイかもしれませんが、録音、録画を出来るだけ早い段階からしましょう。

 何度もいいますが、アナタの発言は駅員や警察には響かないのです。

動かぬ証拠を自分の手で確保するしかないのです。

繊維鑑定を自ら申し出たり、名誉毀損で訴える意思も伝える、などの主張の信憑性を高める

  駆けつけてきた駅員、警察に自ら繊維鑑定を申し出ましょう。

  繊維鑑定ってなに?

 目に見ないような繊維片が手に付着しているかどうかをガムテープのような特殊フィルムで採取して調べるものです。

 繊維鑑定の方法の画像

 かりに女性の体を触っていたならば衣服の細かい繊維片が手に付着しているはずです。

 繊維鑑定の画像

  女性の服の生地の繊維が採取されなければそれはより有効な証拠になります。

 ただここで注意して欲しいのは、繊維鑑定を申し出る場合にトイレにいこうとしたり、手をこすろうとする行為をしないことです。

 証拠隠滅をはかっているとみなされます。

ですので、繊維鑑定を申し出ると同時に、「私はトイレも手もこするようなことはしない。一刻もはやく鑑定してください。」くらい堂々と申し出ましょう。 

名誉毀損で訴えます!は有効なのか?

 
 名誉毀損とは、
  <公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役もしくは禁固、または50万円以下の罰金に処する>刑法230条

 はたして痴漢といわれたその場で女性に対して「名誉毀損で訴えてやる」は該当するのか?

該当します。

 「公衆の面前、不特定多数の人たちの前で事実無根のことで恥ずかしめられ名誉を傷つけられた」に該当します。

ですので、女性に対してその言葉を言うことはズレてはいません。

 いろんなサイトでこの対処法がおすすめされていますが、この方法に関してはすこし注意して欲しい点があります。

 むやみやたらに言い放つような言い方をしないことです。

ケンカ腰であおうるような言い方は女性の怒りをさらに助長し、女性側もとことんやってやると意気込みややこしくなる可能性をはらんでいるからです。

 さきほどの対処法で女性側が「こんなに堂々としているし、ひょっとしたら人違いなのかも、、」と自分の記憶を思い返そうと興奮を抑えだしている矢先に、挑発的な言い方は有効ではありません。

 名誉毀損も辞さないですと毅然とした態度や表現方法がいいといえます。

 ましてやじっさいに痴漢している場合は、名誉毀損で訴えてやる!も虚偽告訴罪(刑法172条)になり、さらに罪を重ねることになります。

 名誉毀損で訴えてやる!の乱用は自分が不利になりかねないという可能性をはらんでいます。
 
タイミングや言い方に注意すべきだと言えます。

弁護士にできるだけ早く連絡

 法の知識でいえば弁護士には叶いません。

できるだけ早い段階で弁護士に連絡をとり、指示をあおぎ行動しましょう。

 細かくいえば、警察は市民を守るのではありません。

警察が守るのは法律です。

 法律上でアナタの唯一の味方になってくれるのが弁護士です。

弁護士への相談は早ければ早いほどアナタにとって不利になる加速度をおさえてくれます。

 痴漢といわれたその場で弁護士に連絡するに越したことはありませんが、必ずしもそのタイミングで連絡がとれるとも言い切れません。
 
 逮捕されてからでもすぐにでも警察に弁護士を呼ぶことを申し出ましょう。

かといってもみんながみんな、知り合いの弁護士やお抱えの弁護士がいる訳ではありません。

 その場合は?

「当番の弁護士を呼んで欲しい」と言いましょう。

 当番の弁護士とは、
  各弁護士会の制度で、毎日担当を決められた弁護士が待機しており、逮捕されてから連絡があれば、遅くとも24時間以内に警察に派遣される制度です。 1回目の相談は無料になります。

ゼッタイにまちがった自白をしない

  ブレずにやっていないこと主張するのは逮捕されてからも同じです。

捜査員の誘導があっても、痴漢行為をしたとみなされちゃうような発言はしないことです。

痴漢をしたとみなされるような適当な発言をしてしまうと、そのことが不利になってしまいます。

 取り調べのあとの供述作成によって、話した内容が供述調書にまとめられます。

 この供述調書が作成され、いったん署名押印すると、あとからやっぱり違う!と思いなおしても訂正はほぼ不可能になります。

 取り調べで誘導があっても誤解を招くようなあいまいな発言は避けましょう。

作成された供述調書にもしっかりと目を通し、安易に署名押印してはいけません。
 身に覚えのないことなら、自分が納得のいくまで訂正を求めるべきでしょう!

まちがっても「やりました」と認めてはいけません。

 ブレないイメージ画像

 キビシイ取り調べのあと、警察署に連れていかれてからの逮捕と送検(合計72時間)、そして最大20日間の勾留。

 罪を認めればそれらを免れ、罰金を払えば身柄が解放されるという選択に意思がブレがちですが、示談するには弁護士の費用としておよそ50万円、示談金として30~50万円が必要といわれています。

 痴漢の前科があれば、更に罰金として30~50万円も払わなけらばならないという話になります。

1番の対処法は??

 では1番の対処法はなにか?

 それは最初から誤解を招く要素を排除することです。

  • 両手の置き場所に気をつける
  • 若い女性の近くを避ける
  • 混み合った車両を避ける

 混み合った車両を避けていても、女性の近くを避けていても、ある程度の時間電車に乗っていれば途中から混み合ってきたり、女性が自分の近くに乗ってくることも大いにしてありえます。

 そのような状況におかれても、疑われるような要素をできるだけ排除しましょう。
両手をつり革、つり革が近くにない場合はスマホや定期、ICカード、荷物をもち、そしてまるでその状態をアピールするかのようにまわりの視界にはいるように見せつけましょう。

 ただバッグを手にぶら下げていても満員電車の状態ではその位置は見えませんし、バッグをもったその手の指で触られたという疑いも招きかねません。

 「ボクはいまこうして片手は荷物、もう片手はつり革だ」というのを周りに見せつけましょう。

めんどくさいかもしれませんが、こんな時代です。自分の未来に投資していると思って心がけましょう。

最後に

 今回、痴漢のえん罪(冤罪)の怖さと対象法ついて書きましたが、ここで一点誤解してほしくない点があります。

対象法について詳しく書けば書くほど、痴漢を訴える女性がまるで腫れ物を触るかのような印象を与えてしまう点です。

 ここで強調したいのは、痴漢のえん罪において、犯人が人違いであっただけでその女性はじっさいに痴漢の被害自体にあっている場合が多いという点です。

 その痴漢されたことによる恐怖と屈辱感は計り知れません。一生トラウマと恐怖にさいなまされるのです。

 恐怖に怯える女性

痴漢を感じた瞬間の怖さは男性にはとうてい理解できないでしょう。そして痴漢されつづけているあいだの時間も数秒が何時間にも感じれるのかもしれません。

  痴漢されている事実をまわりに訴えることにはかなりの勇気もいりますし、恥ずかしめも受けます。

 痴漢をされて恐怖で固まりまわりに助けを求めることができなかった女性、痴漢ですということができなかった女性の数を考えると痴漢被害にあった女性の数は想像をこえた数字になるでしょう。

 痴漢の被害データ

 痴漢は卑劣かつ悪質で、クズの犯罪です。

 ですので今回この記事を女性にも読んで欲しいとのべた理由は、この記事を通して確実にその忌まわしい犯人を捕まえて欲しいという願いからでもあります。

 痴漢のえん罪にまちがわれた被害はたしかに残酷ではありますが、じっさいに痴漢された女性の苦痛、泣き寝入りした女性の苦痛にもっと人々は目と耳を傾けるべきなのではと思うしだいです。

 精神的苦痛に悩む女性